にきび・稗粒腫
にきび
にきび(尋常性ざ瘡)ができる原因として皮脂、男性ホルモン(テストステロン)、細菌、ストレス、不規則な生活などが関与しています。一般的にはホルモンの分泌が亢進する思春期に多くみられ、20代半ばには落ち着くことが多いのですが、中には成人でも引き続きにきびができやすい方もいらっしゃいます。
にきびの種類
黒にきび(面皰)、白にきび
皮脂が過剰に分泌され、さらには毛穴が詰まってしまうと毛穴の中に皮脂が、皮膚表面では角質がたまります。表面に小さく黒くつまっているのが黒にきび、白くなっていて痛みがないものは白にきびです。
赤にきび(紅色丘疹)、膿疱性にきび
表皮ブドウ球菌、にきび桿菌(アクネ桿菌)は皮膚の表面にある常在菌で後者のアクネ桿菌は酸素を嫌う嫌気性菌のため皮脂の奥で増え炎症を起こします。これにより赤にきびができます。進行すると膿疱(膿がたまりふくらんで白っぽくなる)に移行します。
にきびの治療法
保険診療では内服(飲み薬)、外用(塗り薬)療法がありますが、まずは外用療法を中心に行っていきます。ひどい場合はビタミンの内服や抗生物質、漢方薬なども併用していきます。
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外用
- アクアチムクリーム(ニューキノロン系抗生剤)
- ゼビアックスローション(ニューキノロン系抗生剤)
- ディフェリンゲル0.1%(アダパレン(ビタミンA誘導体))
- ベピオゲル2.5%(過酸化ベンゾイル)
- イオウカンフルローションなど
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内服
- ビタミンB2、B6、Cの内服
- 抗生剤(ミノマイシンなど)
- 漢方薬(十味敗毒湯など)
処置
黒にきびには面皰圧出、膿疱性のにきびの場合、針で穴をあけ排膿することもあります。
稗粒腫
白にきびに似ていますが、表面にしこりが出てきているのが稗粒腫です。針で穴をあけ中身を排出(摘除)します。針が刺さるときにちくっとする感じと排出するときにピンセットで摘まむ痛さがあります。
治療経過
湿疹・皮膚炎
湿疹、皮膚炎には主婦湿疹(手湿疹)、皮脂欠乏性湿疹、脂漏性湿疹、異汗性湿疹、アトピー性皮膚炎、接触皮膚炎、アレルギー性皮膚炎、虫刺されなど様々な種類があります。
湿疹、皮膚炎の治療は抗ヒスタミン剤の内服や症状に合わせたステロイド外用、保湿剤の外用、生活指導を主に行います。また、虫刺されの場合、虫の種類により様々な症状をきたします。時に虫刺されからリンパ管炎、水疱、著しい腫脹をきたすこともあるので症状がひどくなる前に早めの受診をお勧めします。
ひどくなるものとしては毛虫・毒蛾皮膚炎、アブ、蜂、ブヨなどがありますが、この場合治療は強めのステロイド外用、抗ヒスタミン剤の内服を行い、できるだけ早期に炎症を鎮め痕が残らないよう心がけております。
じんま疹
じんま疹は食事や薬剤などのアレルギー、器械的刺激、寒冷、温熱、日光刺激などから起こり、皮膚に大小様々な部分的な膨疹が現れ、強いかゆみを伴います。真皮浅層の病変のためステロイド外用薬は効きにくく、抗ヒスタミン剤の内服が第一選択となります。基本的には第2世代の抗ヒスタミン剤の内服薬を処方しますが、症状が治まらない場合、内服の量を増やしたり、もう1剤追加するなどにより症状をコントロールしていきます。
また、それでも治らない、原因を調べたいなどの場合は近隣の専門病院をご紹介させていただきます。